和紙について

→ 和紙とは何ですか?
→ 和紙の特徴は?
→ 手漉き和紙と機械抄き和紙はどう違いますか?
→ 土佐和紙とは何ですか?
→ 和紙と洋紙はどう違いますか?
→ 日本の和紙と外国産の和紙風の紙はどう違いますか?
→ 和紙と不職布はどうちがいますか?
→ 和紙はエコ製品ですか?
→ 和紙は高いというイメージがあるのですが?
→ 和紙は長く保存できますか?
→ 和紙は中性紙ですか?
→ 和紙を海外へ送ることは出来ますか?
→ 和紙の取り扱いで、はどんな事に気をつければいいですか?

Q.和紙とは何ですか?

A.
大陸から伝わった製紙法が、日本の風土で適した原材料と製法に変化し1000年以上もの伝統をもつ日本独自の紙のことです。
紙は日本にもともと自生した楮(こうぞ)三椏(みつまた)雁皮(がんぴ)などの原材料を使って手漉きで作られてきましたが、明治以降の改革で機械化が進められ、ペン書きやタイプ用紙などの用途に応じて改良され、徐々にパルプなどの木材原料も使われるようになりました。

現在では西洋から伝わった製法の木材原料を主とする洋紙が生産量の多くを占めていますが、その「洋紙」 に対して昔ながらの原料と製法で作られる紙を「和紙」と呼んでいます。 「手漉き和紙のみが本来の和紙である」という解釈や「原料に三椏や楮が使われていることや、製法が手漉きに準じているから機械で抄かれた紙も合わせて和紙」 という解釈もあります。

Q.和紙の特徴は?

A.
原料の特徴をいかした流し漉き製法と、強くて柔らかい独特の風合いや保存性の高さが特徴です。

Q.手漉き和紙と機械抄き和紙はどう違いますか?

A.
日本古来の手すき和紙は、簾桁という台に紙の原料を流しいれ、水を抜きながらまんべんなく均等な厚さにして紙を漉く、熟練した高度な技術で作られている日本の伝統工芸です。
しかし環境の変化などから、簾などの器具の原料が減少したことや、職人の高齢化が進み、年々生産量が減少していることは誠に残念なことです。現在も手漉きでしか作れない紙製品もありますので、高い技術を喪失させないように各産地では後継者の育成に力を注いでいます。

その流し漉き製法を、機械で連続的に出来るようにしたのが機械抄きです 手漉きでは紙の大きさが限定されていることが多いですが、機械では連続して製造できるため壁紙や長尺の製品も可能となりました。モリサはこの機械抄きで楮や三椏・がんぴなどを主な原料に、紙を製造しています。

土佐

Q.土佐和紙とは何ですか?

A.
高知県地方で作られる和紙のことです。
平安時代の『延喜式』 にも、すでにこの地方で上質の紙が製造されていた記録が残っています。
 
また江戸時代には『土佐七色紙』 という紙が作られ、幕府へ献上されていた記録があります 近代に入り土佐和紙の薄紙作りの技術の高さを応用した機械化が進められ、タイプ用紙などが大量にドイツなどへ輸出されるまでになりました。

高知県は「台風銀座」と言われるほど雨量が多く、豊富な水量を誇る川がたくさんありますが、中でも四国最高峰の石鎚山に源流を持つ仁淀川は高低差が大きく水量が豊富で清冽なため、現在も流域には紙の産地が多く残っています。その流域の土佐市にあるモリサは、仁淀川の清らかな伏流水を利用して紙作りを行っています。

Q.和紙と洋紙はどう違いますか?

A.
洋紙とはパルプやコットンなどで作られた平滑な表面で均質、印刷には抜群の適正をもった紙です。新聞紙や画用紙、コピー用紙などは、典型的な洋紙です。
これらの紙は、明治以降に技術が導入され、機械で大量に製造することが可能になりました。安価で大量に生産できる洋紙は生活の近代化の中で大いに消費されるようになりました。

片や、ふすまや障子・あんどんなどの住宅用や、傘や書道など実用品としての和紙の活躍の場は 年々縮小されてきましたが、生活が近代化した現代でも和紙独特の風合いは求められています。若年層にはむしろ目新しさと懐かしさのある素材として、近年見直されています。

Q.日本の和紙と外国産の和紙風の紙はどう違いますか?

A.
最近は東南アジア産の紙が多く輸入されていますが、素朴で安価なことから愛好者も多いようです。
製法は現地伝来のものや日本人の指導の下、和紙と同様の作り方で製造されている製品もあるようですが、やはり高度な技術を使った日本製品の薄く平滑な表情や、繊細な風合い・日本ならではの微妙な色合いが和紙の特徴だといえましょう。

Q.和紙と不職布はどうちがいますか?

A.
不織布とはフェルトのように繊維を織らずに絡ませて固めるシート状の製品のことです。
その作り方や素材は多岐にわたりますが、大きく2つに分けると「湿式」 と「乾式」 があり、「湿式」 では短い繊維を水で漉く、機械で和紙を作る製法とよく似通った製法で作られます。そこで使われる原料によっては不織布と和紙のどちらに分類するのか難しい製品もあります。

Q.和紙はエコ製品ですか?

A.
和紙の原料である多年性低木の楮や三椏は中山間で多く栽培され、かつて高知県は日本一の生産地でした。
これらは地上数十センチのところで間伐され(伸びた枝だけを刈る)、繰り返し原料として使われました。翌年はまた同じ長さまで枝が伸びるので、木を枯らすことなく利用できる循環性が「和紙はエコ商品」と言われるゆえんでしょう。

Q.和紙は高いというイメージがあるのですが?

A.
和紙原料である楮や三椏などは、かつて中山間地域で農閑期の仕事として広く栽培されていましたが、現在では過疎や転作などで生産量が減少し、現在では輸入原料も普及しています。
手仕事である手すき和紙は一人当たりの生産数が限られており、また高い技術をもった手漉き職人が高齢化していることから、貴重な製品となりつつあります。こうした側面から、大量生産できる洋紙に比べて和紙が高いというイメージがありますが、そこには無数の人の手と高い技術があり、洋紙にはない風合いもあります。

和紙の機械抄きでは手漉き和紙の完成度に近い製品を、市場が求める価格で供給できるように、日々努力を重ねています。

Q.和紙は長く保存できますか?

A.
1000年近く前の和紙で作られた古文書が現在でも残っているように、長く保存が出来ることが特徴ですが、保存状態によっては退色したり、湿気や虫喰いなどで傷むことがありますのでご注意下さい。

Q.和紙は中性紙ですか?

A.
和紙は「中性紙」に分類されますが、個別の紙種の配合によってpHは変わってきます 特別な用途(写真保存など)でご使用の方はサンプルを取り寄せて検査されることをオススメします。

Q.和紙を海外へ送ることは出来ますか?

A.
紙が輸入不可という地域はほとんどないと思われますが、該当地域について税関やJETROなどにお問合せいただくことをおすすめします。

Q.和紙の取り扱いで、はどんな事に気をつければいいですか?

A.
紙は一般的に湿気を吸いますので、湿気の多いところに長く置くのは禁物です 封が出来る袋などに入れて、平らにおいて保管されることをオススメします。
また、色のついた紙は直射日光や蛍光灯などで色が褪めることがあります 私どもでは、直接光が当たらないようにクラフト紙などで包んで保管しています。

ページ上部へ戻る
This site is registered on wpml.org as a development site.